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横山祐介 — 審美眼が、選べる道を変える

住宅YouTuber「まかろにお」として家づくりの裏側を発信する、HiT株式会社代表の横山祐介。大手ハウスメーカーのトップセールスを経て、のちに起業。バイアウトも果たし、今は家を建てたい人と住宅会社をつなぐ。いい人生は「審美眼を養うこと」。

収録スペースで並んで座る横山祐介と中田航太郎

コロナ禍に始めた、住宅のYouTube

YouTubeを始めたのは、6年ほど前です。コロナでおうち時間が増えた頃でした。住宅という思いきりニッチなテーマですが、今は登録者が15万人ほどになりました。

大手ハウスメーカーにいた頃、瞬間風速的に全国トップセールスになったことがあるんです。そうすると、同じ目線で話す人たちが周りに集まってくる。営業マンのつながりから芋づる式に設計士や現場監督とも知り合い、紹介し合えるネットワークが自然とできていました。その仲間たちと、日本全体の住宅のクオリティを上げていこう。そこから起業しました。

家の質は、現場監督で決まる

家づくりでは、営業マンで金額が、設計士でデザインが、現場監督でクオリティが変わります。中でも一番大事なのが現場監督です。1軒の家にだいたい13〜15の業者が入り、それをまとめて図面を形にするのが現場監督。しかも職人は、会社ではなく現場監督に紐づいているんです。熱量のある現場監督には腕のいい職人がついていくし、やる気のない現場監督には職人がついてこない。家でも店舗でも、それは同じです。

審美眼を養う

いい人生のために大切にしているのは、審美眼を養うことです。物を知ると、物の見方が変わる。見方が変わると、行動の選択肢が変わります。つくれるビジネスも、つながれる人も変わってくる。だから私は、常に審美眼を養うことを意識しています。

たとえば、建物の角です。板の上に板を乗せて90度で貼り付ける「芋」と、両方を45度にカットして突き付ける「留め」。手間はかかっても、留めの方が仕上がりは美しい。海外の高級なインテリアやキッチンは、基本的に留めでつくられています。知っていれば、建物を見ただけで「ここは丁寧な現場監督が入ったな」「ここは荒いな」とわかる。知らなければ、同じものを見ても何も見えません。

原点を知る

審美眼を養ううえで、歴史は必ず学びます。

日本のキッチンや家具の多くが芋でつくられているのにも、理由があります。戦後の日本は何もないところから、手の届く価格でたくさんの物をつくらなければならなかった。だから生産効率を優先してきたんです。大手ハウスメーカーの家づくりも、根本は戦後から続く大量生産にあります。背景を知ると、目の前の物がなぜその形をしているのかが見えてくる。

インテリアなら、1950年代頃のミッドセンチュリーで、家具の基本的な形はおおむね出そろっています。洋服も同じで、シャツという形は決まっていて、時代に合わせて細身になったり、ゆったりしたシルエットになったりする。基本の形に、時代の色が加わって新しいものが生まれているんです。原点を知らなければ、養えるものも養えません。

流行の、その先を見る

最近は「ホテルライク」という言葉がやたら流行っています。おしゃれで、SNS映えするんですよね。

これは持論ですが、人にはそれぞれリズムがあって、選ぶデザインもそのリズムで変わります。ホテルライクを好むのは、経営者やパワーカップルのようにリズムの速い人。地方から出てきて都会のリズムに疲れてしまう人は、ゆっくりと時が流れる和のデザインを好む傾向があります。

ファッションも似ています。昔はいい素材のものを長く使い、子どもの代まで引き継いだ。それがいつしか、大きなロゴの入った、SNS映えするものが選ばれるようになった。そのカウンターとして、ブランドを見せずに素材にこだわる「クワイエット・ラグジュアリー」が出てきました。住宅でも、ある程度の所得層は見た目重視に向かい、突き抜けた人は素材感に向かう。トレンドは、常に巡っています。

自分の行動の軸に

原点を知ったうえで、今の時代はどうなっているのか。今つくられているのは、どんな物なのか。じゃあ、自分はどうしていくのか。それを考えることが、自分の行動の軸になります。

審美眼には、かなりこだわっています。

横山祐介
HiT株式会社 代表取締役。大手ハウスメーカーで全国トップセールスを経験後、メガバンク、日系大手企業を経て在職中に起業。事業を急成長させ、バイアウトを果たす。現在はYouTube「まかろにお」で住宅情報を発信しながら、家づくりを検討する人を住宅会社に紹介するサービスを展開。インテリアコーディネートなども手がける。

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