浜田寿人 — 健康さえあれば、何でもできる
WAGYUMAFIAを率いるオーナーシェフ、浜田寿人。2016年に堀江貴文と立ち上げ、無名のまま世界を回ってきた。健康に向き合うきっかけは、亡くなる前の友人が遺した一言だった。

海外の文脈で、和牛を再定義する
堀江貴文と二人で始めたWAGYUMAFIAも、今年で10年。最初は全くダメでした。「堀江と浜田が和牛ごっこをしてるんじゃないの?」と見られていたんです。ただ、最初から決めていたことがあります。日本人相手ではなく、海外の人たちに伝わる文脈で和牛を再定義していく。そうしないと、和牛自身も面白くならないと思っていました。
僕は飲食店で修行を積んで包丁を握った職人上がりではなく、経営の側から来た人間です。趣味でずっと料理が好きだったタイプなので、日本で勝負すると「どこで修行したの?」という壁に必ずぶつかる。だから全く違うフィールドで勝負しようと、まだInstagramが今ほど浸透していなかった頃から、英語でずっと発信し続けました。それでも、2〜3年はかかりましたね。
無名のまま、ワールドツアーへ
ロックバンドやDJのツアーを真似て、誰も知らないのに「ワールドツアー」と言って回りました。「今日、料理させてくれないか」とドアをノックして、断られる。どこから来たのかと笑われることもありました。
もともと和牛を輸出していて、最初は輸出で商売をしたかったんです。でも海外では、まず和牛の食べ方がわからない。あるシェフに料理の仕方を教えてほしいと頼まれて、日曜でレストランが休みなら「じゃあ家でやろう」と。今思えば無茶ぶりですが、ノリのいい海外のシェフは付き合ってくれて、「お前面白いから、ノルウェーに行くならこのシェフを紹介する」と、善意でつないでくれました。
ワールドツアーは今、100都市になりました。簡単にバズったと言われることもありますが、それだけの都市を実際に回ったからだと思っています。
コロナ禍に、日本を再発見する
新型コロナウイルスが流行しはじめたときは、インバウンドが中心の僕らにとって本当に大変でした。ただ、そのときに日本を回ったんです。普段は半年ぐらいツアーで海外にいるので、このタイミングで日本を再発見しようと。現地で食材を仕上げて料理をつくり、医療従事者の方々に届けました。
どこへ行っても、食材も人も素晴らしかった。あの体験がなかったら、今はないと思います。
堀江の嗅覚もさすがでした。2月にロンドンをツアーしていた頃から、誰よりも早くこれは危ないと察知して、インバウンドではなく国内のお客さんに向けた対策へ一気に切り替えた。結果的に、適応が早かったんです。
「健康さえあれば、何でもできるから」
健康を意識したきっかけは、2012年ぐらいのことです。1年ほどルームシェアをしていた同い年の友人が、末期がんでした。亡くなる前の半年間、生活を共にしたのは本当に貴重な経験です。僕はまだWAGYUMAFIAも立ち上げていない頃でした。
彼は「健康さえあれば何でもできるから。でも健康を害してしまうと、僕みたいに全てがブレーキになる」と言って、人間ドックをちゃんと受けるように勧めてくれました。それで初めて、人間ドックを受けたんです。
そこから少しずつ健康に気を使うようになりました。
45歳、体が変わり出す
朝起きたときのつらさが違う、酒が抜けない、眠りが浅い。僕にとって、それが45歳でした。体が色々と壊れ出して、ここでちゃんと向き合わないと、50歳になったときに本気で走れないなと思いました。
その頃、娘の運動会で走ったんです。当時は今より15kgくらい太っていて、腓腹筋の内側を断裂しました。「1か月後には歌って踊れないといけないんです」と話したら、お医者さんに「それならもう本気で向き合わないとだめです」と言われて。そこからこの1年は、かなり本気になりました。
なぜを知ると、人は動ける
『肥満の科学』という、すごくいい本があるんです。人はなぜ太るのかを、歴史やアナトミーの面から分析していて、読んで「これだ」と思いました。
昔はディナーのセッションが終わった夜遅くからラーメンを食べに行って、飲んで、寝るのは1時半。それでは体が脂肪を使う時間も取れないし、体力も戻らない。その理屈をロジックとして理解して、科学的に臨む。なぜを知ると、動けるんです。
最初に5kg落として、次はBMI25を切る73kg、その次は70kg。そうやって目標を更新しながら、WAGYUMAFIAが10周年を迎える今年は、10年前の体重だった67kgに戻そうと決めました。毎月しっかり血液分析をして、中田先生にも見てもらいながら、自分の体をモニタリングしています。モニタリングが全ての基本です。
20歳のときの体重から10kg、20kgと増えている人は多いと思います。それだけ心臓に負担がかかりやすいし、重りを背負っているわけだから、腰や首も痛くなりやすい。一度、健康の断捨離をしたらいいと思います。
会いに来てくれる人のために
表向きは華やかでも、やっていることはめちゃめちゃ泥臭い。AIやモバイルで完結する世界ではなく、手を動かす仕事です。
ほとんどのものがオンラインで完結する時代なのに、フィジカルにお金も時間も使って、会いに来てくれる。それ自体が、素晴らしいコンテンツなんです。
浜田寿人
WAGYUMAFIA JAPAN株式会社 代表取締役社長。1977年生まれ。米国留学後、20歳でソニー本社に最年少で入社。さまざまな事業を経て、2016年に長年の友人である堀江貴文とWAGYUMAFIAを立ち上げる。ワールドツアーで世界100都市を回り、海外の文脈で和牛を再定義してきた。日本に眠る未来の和牛のような「ウルトラニッチ」の発見・育成をライフワークとし、若手シェフの海外展開へのアドバイスも積極的に行っている。
Wellness
自分の体を、長く見ていくために。
気になる方は、まずはカウンセリングでご相談ください。


