箕輪厚介 × 中田航太郎 — 40代で降りる人、走り続ける人
編集者・箕輪厚介が40歳を前に、Wellness代表医師の中田航太郎と対談した。走り続ける経営者と降りていく人を分けるものは何か。

箕輪厚介がパーソナルドクターをつけたのは39歳のときだった。朝起きた瞬間に「あ、疲れた」と感じる日が続いていたからだ。40歳のテーマを「健康」と決めた編集者が、Wellness代表医師の中田航太郎と向き合う。

不健康が偉かった時代の終わり
箕輪 僕が20代の頃とか、ひと昔前の編集業界って「不健康なやつの方が仕事してる」みたいなムードがあったんですよ。人間ドックの結果が悪い方ががむしゃらに働いてて偉い、みたいな。でも今、完全に変わりましたよね。
中田 変わりましたね。昔は生産性よりも稼働時間で勝負していたから、体を酷使するのが正義だった。今は生産性で差がつく時代なので、ベースとなる健康がないと戦えなくなっています。
箕輪 39歳のときに「疲れたな」と感じることが多かったんです。朝起きた瞬間にすでに「あ、疲れた……」って絶望する感じ。40歳のテーマは「健康」です。周りの経営者を見ていて思うのは、もはやこのレベルになると仕事ができるかできないかはあんまり関係ない。「朝起きたときどれだけ元気か」がその人のビジネス戦闘力のすべてだと思っています。
中田 ビジネス戦闘力=健康状態、ということですね。
箕輪 そう。ものすごく元気なときは、マストの仕事以外に「あいつに連絡してみよう」とか「こんな企画どうだろう」っていう未来への投資になるプラスアルファの発想が湧いてくる。でも疲れてると、最低限のことしか手につかない。この毎日の差が、1年後に圧倒的な実績の差になると思うんです。
中田 まさにそうですね。今の時代、情報や物はコモディティ化して誰でも手に入る。だからこそ、「自分の脳をどれだけいい状態に保てるか」がパフォーマンスに大きく影響します。
走り続ける人たちの共通点
箕輪 一線でずっと走り続けている怪物経営者たちって、共通して「異常に元気」なんですよ。たとえば堀江(貴文)さんを見ていても、知識や行動力がすごいのは前提として、結局は「とてつもなく健康なだけ」なんじゃないかと思うんです。心と体が元気だから、好奇心も精神力もすべて成立している。
中田 堀江さんは本当に意識が高いですよね。ご自身の30代の頃からの身体データをWellnessのアプリに蓄積していて、僕らもすべて見ていますが、毎年どんどん健康になっています。
箕輪 痛風のリスクがある僕が「薬は体に悪いからサプリで……」と言い訳をしたとき、「情弱なこと言ってんじゃねえ、薬を飲め」とブチギレられたことがありました。
中田 堀江さんらしい。医学的にエビデンスがあるものを信じる、極めてロジカルな姿勢ですね。
箕輪 前澤友作さんも、ショートスリーパーで有名ですけど、本当に毎日元気で毎日欠かさずトレーニングをしている。「疲れたと思ったことがない」と言い切っています。なんでそんなに元気なのかと聞くと、「楽しいことしかやってないからエネルギーが湧き出てくるんだよね」と。前澤さんのような経営者は若々しい。僕が見た中で、前澤さんが唯一ぐったりしていたのは宇宙から帰ってきた直後だけでしたね。
中田 メンタルとフィジカルが完全にリンクしていますね。精神的なストレスが腸内環境や免疫に悪影響を与えることは医学的にもわかっています。楽しいことをしてストレスがない状態が、最強の健康法なんです。
箕輪 西野亮廣さんも、あんなに異常に忙しいのにLINEグループのボケに全部突っ込んできますからね。疲れてたら無視するような話題だと思う。でも元気だからこそ、そういう細かい配慮やコミュニケーションまで脳が回るし、新しい企画も思いつく。
中田 僕らは経営者の健康をインフラだと考えています。だからこそ、プロとして伴走して守る必要がある。昔のように「体調がいいから元気だ」という感覚ではなく、今は各臓器の状態を数値で把握し、データでロジカルにハックできる時代ですから。

健康が経済価値になるとき
箕輪 ゆくゆくは「健康」が経済価値に変わる時代が来ると思うんです。佐藤航陽さんが「時間経済」と言ったりしましたけど、僕は「健康経済」の時代だと思う。
中田 間違いなく来ますね。AIで過去のライフログや健診データを解析すれば、「この人の30年後の生存確率は何%」と予測できる時代が来ます。
箕輪 うわ、怖い。でもそれでお金を借りるときの金利が決まったりするわけですよね。「この社長は健康リスクが低いから金利を安くします」とか、「このままだと5年以内に倒れるリスクがあるから投資できません」とか。
中田 そうです。いくら年収が高くても、5年以内に死ぬリスクが高い人に長期投資はできない。経営者にとって健康リスクは一番の経営リスクになるので、それを可視化して資産として管理するのが当たり前になります。
箕輪 「年収×健康スコア」で、その人の本当の人間価値が出るようになりそうですね。マッチングアプリとかでも、年収よりそっちの方が重要視されたりして。
40代で降りる人
箕輪 40歳以降でパタッとステージから降りちゃう人って、能力不足じゃないんですよ。なんとなく体調が悪くなって、いつの間にか表舞台や仕事の場所に出てこなくなる。
中田 健康かメンタルを損なうことで退場を強いられるんですよね。心身が健康でないと意欲が湧かず、「今日はもう後回しにしよう」という選択を重ねることで、すべてのチャンスを逃していく。
箕輪 もう仕事ができるとかあんまり関係なくて、健康状態さえ良ければどうにでもなるのに、そこを損なうとチャンスすら失う。
40代で降りる人は、能力が尽きたんじゃない。体調が先に尽きたんです。
箕輪
中田 自覚症状に頼る今の医療モデルでは不十分で、特に怖いのが「サイレントキラー」と呼ばれる疾患です。自覚症状が最後まで出ないまま、ある日突然、心筋梗塞などで倒れてしまう。急に見えても、データを蓄積していれば「じわじわ悪くなっている変化」に気づき、対策を立てることが可能なんです。
箕輪 自分自身が元気だと他人にも優しくできるんですよね。元気で余裕があるからこそ、人のためになる活動をしようと思えたり、人に優しくできたりする。
中田 疲れていると、人は他人を思いやる余裕を失います。僕らは「病気がないこと(Health)」を目的とするのではなく、「いい人生を送ること(Wellness)」をゴールに置いて、そのための戦略をデータに基づき、お医者さんと一緒に作っていく文化を広めたいと思っています。
箕輪 健康は目に見えないけど、経営判断においていちばんインパクトを与える資本であり、インフラですね。僕もこの自分の体をハックする過程自体を、一つのプロジェクトとして楽しんでいこうと思います。
後編「中田航太郎 × 箕輪厚介 — 無意識に健康になる環境をつくる」
Wellness
自分の体を、長く見ていくために。
気になる方は、まずはカウンセリングでご相談ください。


